JAXA 就活2
1.はじめに
さて、今日はJAXAの1次面接についての体験記を記したい。
2.一次面接
無事、ESに通過した私は1次面接に来るよう指示された。また、面接に行くまでに適性検査を受けておくよう指示される。1次面接の結果と適性検査を加味して選考するらしい。
ESの結果連絡が4/13と遅めであり、この頃には私はすでにいくつもの企業の面接を受けていた。そのため、ESの内容をよく見返す・基本的な想定質問の対策を考え、それほど緊張することもなく当日を迎えた。
当日、お茶の水の会場に到着すると、まもなく部屋へ案内された、部屋には6人の男女。待合室である。物理系が私含めて2, 航空宇宙が1, 電気系が1, 化学系が1, 航空宇宙博士が1の6人構成。実にいろいろな専攻の人をES通過させていることが分かる。
実はこの選考、GD(=グループディスカッション)もあったのだ。待合室にはそう書かれたホワイトボードがあり、当日初めて知ったという者が多かった。今年から導入されたのだろうか。
まもなく7名の人事がクリップボードを抱えて入室してくる。1人の人事がGDの内容の説明を行い、速やかに選考が開始された。
GDのテーマは
「JAXA理事長に必要な資質として最も重要なものはどれか?」
であった。
・将来へのビジョン
・コミュニケーション能力
・チャレンジ精神
の3つの中で議論し、結果を1つに理由と共にまとめる、という内容だった。制限時間は15分。
私にはGDの経験も何度かあったため、議論を進めるのは簡単だった。
まず秒で手を挙げ、司会をすると名乗り出た。
次に適当な隣の人物にタイムキーパーを指定し、前の人物に書記を指定した。彼らはすぐに了承すると、私はやや離れた位置の人物に「どれが重要だと思うか?」と質問した。この流れはほんの開始数秒で行われた。
実はこのような流れはGDでは重要であり、基本的には「司会を名乗り出て、役職を指定し、案がすぐに思い浮かばない場合は自席から少し離れた人物に意見を求める」ことが威力を発揮する。人狼ゲームみたいなものである。まず司会に出ることで進行はスムーズになる。それに案が思いつく場合はすぐに意見を言えるし、思いつかない場合はやや離れた人に求めることで自分が考える時間を作ることができるのだ。やや意地汚いやり口に見れるが、これは「選考」、「競争」なのだ。このようなテクニックは重要である。
各人の意見を聞き、必ず毎回相槌を打ち、時々意見への同意や賛成、理由などを言えそうなときは挟む。そして自分の番になったら意見を言う。
私は「ビジョン」こそが理事長に求められると回答した。なぜなら組織のリーダーを務める人物は組織の将来を左右する人物であり、その人物には明確なビジョン、すなわち計画の保有が必須であるからだ。理事長すなわちリーダーに求められるものはビジョンに他ならない、というような感じのことを言った気がする。
その後、いくつか反対意見もあったが、書記の方にまとめてもらい、結局私の提案した「ビジョン」が最も重要だという結論に至った。
書記の方は比較的小さい字で書いていたが、全員に見せる必要があったため、もっと大きく書くように私は促した。そう、書記に選ばれてしまった場合は大きな字できれいに書くべきである。大きすぎるくらいがいい。
GDの役割は司会>発表者>タイムキーパー=役無しの順でお得であると思う。GDをもしやる機会があれば「司会」を名乗り出ることをおすすめしたい。
10分で議論して、5分で結論をまとめた。また、発表者までやると独占的になるため、発表者だけは募集をして他の方にやってもらった。以上で無難にGDを終えることができたのだ。
その後は1人につき1人ずつ人事がついて1次面接の部屋へと案内されるが、このGDの流れは比較的好評で「いつもこんな感じでGdやってるの?いいですね」と言われた。この方法はかなり有効であることを改めて認識したのであった。
そして、1次面接が始まる。
面接は1対2であり、
面接の質問内容は以下のような感じである。
・自己紹介、専攻内容
・専攻をどうJAXAに活かすか
・研究テーマを選んだ理由
・1人で取り組んだのか
・研究の予算は、どうやって捻出を
・博士課程に行かないのはなぜ
・志望するのは輸送船のロケット?電気系?具体的に教えて
・海外経験があるそうだが英語はどのくらい話せるのか
・勤務地は問題ないか
・他社の選考状況は
・人生で一番の失敗は
・他のメーカーとJAXAの違いは何だと思うか
・要素研究、すなわち新たなに何か技術を作ることはやらなかったりするが大丈夫か
・聞きたいことは(逆質問)
私は「目標」すなわち夢を持つことが大事だと思っている。御機構では夢としてどのようなことを思い描いている方が多いか?
宇宙ビジネスの拡大が取りざたされているが御機構の今後のビジョンは?
を聞いた
このように、実に非常に多数の質問がなされ、矢継ぎ早に20分間面接が行われたのだった。
これが初めての面接であれば、私がかつて受けたM電機のように悲惨な結果となっていたかもしれないが、この時はすでに4月23日。
ほとんどの企業の最終面接が終了し、私は面接対策が1通り済んでいた。
そのため、臨機応変にこれらに質問に対応することができ、面接官も時々笑みを見せるなど手ごたえは上々であった。
唯一返答に困ったのは「人生で一番の失敗」。色々失敗したことはあるが、一番はなかなか難しい。とっさに出たのが「50万円もする実験機器を破損したもの」と口走ってしまい、笑われた(笑)、まあ「研究でなかなか成果が出なかったこと」ていえばよかったんだが「失敗」という言葉にとらわれすぎたのかもしれない。とはいえこの質問も笑われる程度で終了。
実際、4日後に通過の結果が来たのであった。
1次面接はなんだかフランクな雰囲気だったが、2次面接からが鬼門である。実際、2次はかなり苦しめられたのだ。それはまたいずれ別記事で。